雪・月・花 ~From.Sweet Drops~

腐女子による腐女子のための、東方神起妄想小説サイト。ホミン・ミンホどっちも有です。

検索フォーム

RSSリンクの表示

リンク

このブログをリンクに追加する

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード

QR

FC2カウンター

ランキング

皆様の愛を葉月へ… にほんブログ村 BL・GL・TLブログ 二次BL小説へ
にほんブログ村

プロフィール

葉月

Author:葉月
雪・月・花 ~From.Sweet Drops~へようこそ!
このblogは東方神起大好き腐女子による腐女子のための妄想小説サイトです。
R18要素含みます。
ご覧になる方は、自己責任にてお願いいたします。

最新記事

最新コメント

月別アーカイブ

カテゴリ

未分類 (0)
葉月の雑記 (59)
Spinning (57)
REAL (27)
Can't stop Fallin' Love (19)
Birth Day SP (1)
WITH (2)
T 1 Story (3)
DIRT (103)
DIRT 番外編 (2)
metropolis (47)
君のいない夜 (50)
Chandelier (45)
愛をもっと (37)
Tea for Two (3)
Bittersweet (270)
短編 (42)
MIROTIC (248)
Singin' in the Rain (53)
Love in the ice (65)
Your Man (110)
Beside (48)
Double Trouble (57)
TAXI (76)
Heaven's Day (54)
恋焦がれて見た夢 (75)
バンビーノ! (69)
Stranger (80)
キ・セ・キ (127)
Love Again (69)
DARKNESS EYES (77)
366日 (115)
Rise... (38)

アクセスランキング

[ジャンルランキング]
小説・文学
16位
アクセスランキングを見る>>

[サブジャンルランキング]
BL
1位
アクセスランキングを見る>>

メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

DIRT 68

DIRT 68

あの時は、必死だった。

夜通し車を走らせ、わざわざ遠回りをして、車まで乗り換えて。
どうにかして足跡を消そうと必死だった。

ぼんやりと流れる車窓を眺めていると、不意に手が優しいにぬくもりに包まれた。

「大丈夫…?」

「え…?」

問いかけの意味がわからず問い返せば、言いづらそうに口ごもる。

「なんか、その…考えてる風だったから…」

「あぁ、ちょっと懐かしんでただけです。あの時は景色を見る余裕もなかったですから」

「そういえば、そうか…。オレなんか、出発してすぐ寝ちゃったし」

確かに、10分も経たないうちに眠っていた。
寝顔だけは大人になったいまも大して変わらない。

ちょっと間抜けで、可愛らしい。

「チャンミン?」

無意識に笑っていたようで、僕は重ねられた手を握り返した。

「せっかくだから寄り道してく?」

「そうですね」

思いがけず遠出することとなり、確かに目的地はあるものの直行するにはもったいない気がする。

ユノの意見に頷けば、前を見据えていた横顔がかすかに綻んだ。

「なんか、旅行みたいですね…」

「うん、オレもそう思う」

あぁ、だからいつにもましてテンションが高かったのか…。
ようやく疑問が氷解した。

そういえば、旅行というのも初めてだ。
母は忙しくてそれどころではなかったし、父に引き取られてからは別の意味でいけなくなった。

それこそ、修学旅行さえも。

少しだけ窓を開けて、流れる風を肌で感じた。
憧れていた自由がいまここにある。

そして隣には僕を支え、僕を想ってくれる人がいる。

「幸せだな…」

気づくとそう呟いていた。

「え?なんか言った?」

風の音に消された言葉。
もう一度言うには照れ臭くて、運転席に座るユノを振り返った。

「おなか、空きませんか?」

「あ、なんか食堂あった!あそこでいい?」

「はい」

計画のない、行き当たりばったりな旅行。
この旅行すらもともと計画があってのものじゃないんだから仕方がない。

出発してから2時間。

ようやく朝食をとり、再び車へと乗り込む。
途中寄り道しながら目的地へとたどり着いた頃にはすでに、空が茜色に染まっていた。

「あれ…?」

木のトンネルを潜り抜け、開けた視界。
懐かしの家の屋根が見えた次の瞬間、異質なものが目に映りこんだ。

「…?」

少し開けた場所には車が2台止まっていた。

1台は、あの時僕が乗っていた車。
すでに錆付き、シートは破れ、ボンネットの上には土ぼこりと枝の破片。

廃車同然となりながらも持ち主を待っていたかのようにそこに鎮座していた。

あの日、僕が乗り捨てたままの状態で。

その隣にもう1台。

「…」

黒塗りの高級セダン車。
胸騒ぎがする。

きっと、何か感じるものがあったんだろう。
言うなれば、運命のような…。

空いているスペースに車を止め、とりあえずは荷物を持たずに家へと歩み寄った。

20センチほど開いていた扉の隙間から中を覗き込んだユノが、次の瞬間僕の手を取って車へと向かって歩き出した。

「ユノ?」

「いいから早くっ」

焦る声と余裕のない表情。
それを見た僕は、予感が正しいことを悟った。

「ユノ、待って」

「ダメだ!」

過保護だな…。
でも、少し嬉しい。

大事にされているんだと、思えて。

「お願いです、ユノ」

「でも…」

「僕は、大丈夫だから。ね?」

不思議なほど落ち着いていた。
あんなに怖かったのに、二度と逢いたくないと思っていたのに。

今度は逆に、僕がユノの手を引く。
そしてゆっくりと扉を開いた。

「…」

中を見やれば、部屋の真ん中にいたその人がゆっくりと振り返る。
死んだ、魚のような瞳。

生気を失った瞳に僕を映したかと思えば、大きく見開かれた。

「ここで、何をしてるんですか?」

「…」

僕から声を発するのはいつぶりだろうか。

この人の前では常に心を押し殺し、声を発さず、人形であり続けてきた。
けれど、もう僕は人形じゃない。

怯える必要もない。

本当は、まだ少し怖いけれど…。

「ここにいても、見つかりませんよ?」

「…」

「ユノにあって、あなたにないものなんて」

すっと視線が離れていく。
図星を指された人間のとる反射的行動のひとつ。

でも、初めてかもしれない。
不可抗力かもしれないけれど、この人が自ら視線を外すなんて。

「ひとつ、聞いてもいいですか?」

後ろめたいことなんて何もないから、ここにいることに迷いはないから、僕は視線を外さないままその背中へと問いかけた。

「僕を閉じ込めて、所有物とした理由はなんですか?」

「…」

「僕は、それがわからなかった」

なぜこんなことをされるのか、なぜ僕なのか。
悩み、苦しみ、耐え続けた。

「でも、思ったんです。この前、僕はユノを閉じ込めたいって」

「へ?」

不貞腐れた顔でそっぽを向いていたのに、素っ頓狂な声を出す。
この神妙な空気の中、場違いな声に思わず僕は笑った。

「ユノを閉じ込めて、僕だけのものにしたいって…そう思いました」

瞬きを繰り返し、次第に頬が赤らんでいく。
耐え切れないと顔を俯かせ、視線を彷徨わせる。

「こ、光栄です…」

「…っぷ」

なんだ、それ。
そんな返しってあり?

我慢しきれなくて、腹を抱えて笑ってた。
そのうち立ってることもできなくて、呼吸も儘ならなくて、肩を揺らして笑っていた。

彼が、いることも忘れて。

69へ続く。



にほんブログ村 BL・GL・TLブログ 二次BL小説へ
にほんブログ村

関連記事
スポンサーサイト

コメント

パソコン不調…😞携帯から

なんだかね、私の頬も…ゆるんで(*´ω`*)
こんなんなっちゃいました。

コメント

管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます

コメント

管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます

コメント

これでやっと心も自由になれて良かったね(。>д<)

歪んだ愛情だけどそれに気付いて先に進む事ができたしね(^^)v

ユノと一緒に色んな事を経験して今迄の分を取り戻してね!

当然イチャイチャも期待してます(///ω///)♪

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

 | HOME | 

Design byLoco-net::blog 
Copyright © 雪・月・花 ~From.Sweet Drops~.All rights reserved.