雪・月・花 ~From.Sweet Drops~

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DIRT 69

DIRT 69

「久しぶりに見たな…」

その声にようやくその存在を思い出した。

笑いすぎて浮かんだ涙を拭い、顔を上げるとそこにはどこか懐かしむような、それでいて寂しげな瞳。

「出逢った頃、オレのあとをついてくるお前が可愛くて仕方なかったんだ。オレだけに見せてくれる笑顔が、本当に可愛いと思った」

まるで独白だ。
誰に告げるでもなく、ただ独り言のように呟いている。

そんな風にも取れるような、囁きだった。

「でも、父になつくお前を見た瞬間、怖くなった。別にオレだけに見せてくれているわけじゃないんだって」

初めて聞く内容だった。

「オレのものにしたくて、オレだけのものになってほしくて…それしか頭になかった」

自嘲するように微笑み、そっと髪をかきあげる。
どこか切ない、儚げな横顔を見つめ、僕はそっと微笑んだ。

「人を好きになるって、紙一重だと思いました」

「…?」

「僕だって、1歩間違えたらあなたと同じことをしていた。たぶん、僕たちは似ているんです」

愛と、狂気の狭間で僕たちは揺れている。
無償の愛というものを知らないで育ったがゆえに。

「でも、僕はあなたのようにはならない。なりたくない。自分の気持ちだけを押し付けても意味がないんです。お互いがお互いを想い、大切にし、時に支え、支えられ、ユノにとってのそういう存在でありたいと思っています」

「…そうか」

「だから、あなたもそう人を見つけてください。僕がユノを見つけたように、ユノが僕を見つけてくれたように。あなたのいいところも悪いところも受け止めてくれる人を」

これは、過去への決別。
手に入れた自由を二度と手離さないための布石。

何よりも、僕の思い描く未来のために。

「アメリカへ行くことにした」

「え…?」

「明日旅立つ」

どこか遠くを見つめ、まるで他人事のように呟く。

「もう、ここには戻らない」

「…」

「お前は、自由だ」

ガラスが砕けるように、僕の心の中で何かが音を立てて弾けた。
遠くを見つめていた瞳がゆっくりと動き、僕を捉える。

「元気で」

最後の最後で、そんなこと言うなんて反則だ。
許さなければいけない気がしてしまうじゃないか…。

言葉を失った僕の横を通り過ぎていく。

「チャンミン、このままでいいのか…?なんか、オレ…違う気がする。あの人のことは嫌いだけど…でも、違うと思う」

僕も、そう思った。
素直な、その言葉が僕を突き動かす。

繋いでいた手を解き、僕は駆け出した。

「兄さん!」

もう何年も呼んでいなかったその言葉が思いがけず飛び出した。
発した僕自身も戸惑い、また、呼ばれたその人もまた驚き、戸惑っているようだ。

「僕を弟と思えるようになったら…気持ちに整理がついたら、戻ってきてください」

「…」

「それまで、僕があなたの居場所を守ります」

「チャンミナ…」

守れるかどうかはわからないけれど、気持ちに嘘はなかった。
本来であれば兄であるムソクが継ぐ立場。

いろはを知らない僕にどこまでできるかはわからないけれど、そう思う。

たぶん、ユノに感化されてる。
どこまでも純粋で、真っ直ぐで、自分に正直なユノに。

僕もまた変わり始めているんだろう。
だからきっと、兄さんも変われるはずだ。

「…」

しばし呆然と立ちすくんでいた兄さんが、開いた扉をそのままにゆっくりと近づいてくる。
僕はただじっと大きくなるその姿を見つめた。

「チャンミナ」

「…はい」

1メートルもない距離で、兄さんもまた僕を見つめた。
手を伸ばせば触れられるくらい、風に漂う香りが感じられるくらい近くで。

「オレは、お前のことが好きだった。誰にも渡したくないくらい、愛してた」

あの時は、僕がこの場でユノに愛を告げた。

そしていま、兄さんが僕へと同じ言葉を紡ぐ。

ずっと”オレのものだ”といい続け、一度も愛してるなんて言われたことがない。
別れ際に言われるなんて、なんて切ないんだろう…。

「過度な執着と独占欲で、お前を苦しめてしまった。すまなかった」

初めて触れる兄さんの心に不快感も恐怖も一切ない。
惜しげもなく頭を下げる兄さんを見つめ、僕もまた正直になろうと思った。

「確かに、兄さんのしたことは許せるものじゃありません。でも、おかげでユノと出逢うことができた。唯一の人と出逢うことができた。それで充分です」

「…」

「僕も、兄さんのことが好きでしたよ?こんな僕を受け入れて、優しくしてくれて、どれだけ救われたかわかりません。でも、僕の好きは兄さんの好きと種類が違うものです。同じものになることは、ないと思います」

ゆっくりと、頭が持ち上がっていく。
痛みを押し殺すような眼差しに、言葉が詰まりそうになる。

でも、ここで言わなければ二度と言う機会はない。

「僕自身整理がついていなくて…いまはまだ、許すとか恨まないとか、言えません。でも、いずれ受け入れられる日が来ると思います。そう、信じています。だから、いつの日かまた逢いましょう」

「…」

「そのときは、笑って逢えるように…そう、願ってます」

答えはなかった。
ただ眩しそうに目を細め、でも悲しげな笑みを浮かべ、兄さんは僕を見つめていた。

そんな兄さんに、僕は静かに右手を差し出した。

「…」

差し出した手にじっと視線が注がれる。
そして、ゆっくりと兄さんの手が持ち上がった。

指先がかすかに触れ、続いて手のひらが触れる。
あれほど嫌いだったこの感触。

でも、いまは不思議なほど心穏やかだった。

「兄さんも、元気で」

複雑な想いを抱いているのはその表情を見ればすぐにわかる。
手をほどき、その手は下がることなく上へと移動していく。

そして昔よくそうしてくれたように、頭を撫でた。

「幸せになれ」

さようならは、なかった。
最後にそんな言葉を残し、兄さんは背を向けた。

立ち止まることなく、振り返ることなく。
この日、僕たちの歪んだ関係にようやく終止符が打たれた。

70へ続く。



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コメント

号泣😣

オーラス以来、涙腺も崩壊した感じで(笑)チャンミンがしなやかな強さを見せてくれましたね。不覚にもオーラスチャンミンの美しい涙を思い出しました。さ、あとはユノとラブラブ生活が待ってるよ、きっと❗

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