雪・月・花 ~From.Sweet Drops~

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Singin' in the Rain 9


Singin' in the Rain 9



★♪♯♭☆♪♯♭☆♪♯♭♪♯♭☆♪♯♭★



1歩を踏み出す勇気が振り絞れずにいた。

なんとなくで今日まで来てしまい、それまでの1日1日が重くのしかかって。

ユノの言葉に背中を押され、僕は久しぶりに制服を纏った。

まだ早い午前5時。

人もまばらな道を進んでたどり着いた学校を目の前にまた足が竦む。

「…」

なんだか、見えない壁が立ちふさがっているような気がした。

このままではいけないと、何度かここまでは来たがあと1歩が踏み出せないまま。

公道と、学校の敷地の境目を目の前にまた心が揺れる。

でも、ここで帰ったらまた最初からやり直さなければならない。

何より、応援してくれているユノを裏切りたくない。

境界線を見つめていた視線を前に向け、深く息を吸い込んだ。

「…」

右足を1歩、前へと踏み出す。

体重を移動させていけば左足が宙へと浮かび、高い壁に感じていた境界線をいとも簡単に越えていた。

なんだ、こんな簡単なことだったんだ。

さっきまで自分が立っていた位置を振り返り、そっと微笑む。

足に絡み付いていた錘が取れたみたいに身体が軽い。

校舎を眺めながら久しぶりに足を踏み入れる学校を堪能する。

あと数時間もすればたくさんの人が押し寄せ、賑やかな空気に包まれる場所。

下駄箱で上履きへと履き替え、迷うことなく音楽室へと向かった。

誰もいないだろうが窺うように室内を見回し、そっと中へ足を踏み入れる。

この部屋の主役であるグランドピアノ。

窓を開け、挨拶するように指先でその感触を確かめる。

「…」

白亜の鍵盤を前に何を弾こうかと首をかしげ、選んだのは想い出の曲。

ユノと初めて逢ったあの雨の日に奏でていた音。

あれ以来、この曲は僕にとって特別な曲。

この曲があったからこそ、僕はユノと出逢い、そして再び”家族”を得ることができた。

「やっぱりチャンミンだ」

「カンタ先生…」

「ピアノの音がしたから、ここまでダッシュしちゃったよ」

さすがに暑いと、シャツで空気を送り込みながら小さく息をつく。

額には汗がうっすらとにじみ、その言葉が真実であることを物語っていた。

「よかった、来てくれて」

「ご迷惑、おかけしてしまってすみません…」

「迷惑、じゃなくて心配だよ」

優しく微笑み、カンタの手が優しく頭をなでる。

「でも、よかった。ホントは明日にでもチャンミンのところに行こうと思ってたんだ」

「…?」

カバンを抱えるようにして手を入れ、クリアファイルを1枚取り出す。

そしてカバンを足元に下ろしたカンタは僕にそれを差し出した。

「これ、出てみない?チャンミンだったら結構いいところまで行くと思うんだ」

「…」

クリアファイルの中にはA4サイズの紙が1枚。

そこの見出しには”高校生ピアノコンテスト”と記されていた。

開催日は7月。

「いえ、僕は…」

「もったいないと思うんだ」

「…」

「大概のピアニストは1日の大半をピアノに費やし、お金をかけて有名な先生の元へ通って習ってる。でも、チャンミンは違う。ピアノを弾くために生まれてきた天才だと僕は思ってる。同じピアノを弾く人間として妬ましくはあるけれど、その才能を埋もれさせたくないんだ。だから、出てみない?チャンミンの実力がどこまで通じるのか、見てみたいんだ」

その紙面に記されているのはどれも有名な音楽家ばかり。

おそらく、その人たちが採点するのだろう。

一流と称される人たちの前で僕みたいな趣味程度でやっているピアノを弾くのはやはり躊躇われる。

「答えは急がないから。少し考えてみて?」

「…」

ピアノを弾いていると、心が安らぐ。

僕にとってピアノはお母さんそのもので、僕にとって唯一優しく愛しい思い出。

朝礼があるからと急ぎ足で帰っていくカンタを見送り、ひとつ息をついた。

浮かした腰をもう一度下ろし、そっと白亜の鍵盤へと触れる。

ひんやりとした固い感触が心を癒していく。

裏切ることも、怒ることもない、僕の友だち。

「…」

心を落ち着かせるためにもう一度指を走らせた。

動きに合わせて響く透明な音。

目を閉じて、その音だけに心委ねればあたたかくなっていく。

まるでお母さんに抱きしめられているみたいに。

気づいたのは、予鈴が校舎に響いた時だった。

時計を見やれば8時半。

あと30分でホームルームが始まってしまう。

慌ててピアノを片付け、カバンを手に音楽室を後にした。

なんかみんなが僕を見ている気がして、視線は足元に落としたまま足早に通り抜ける。

教室に入ると一気に静まり返る。

「…」

やっぱり、居心地が悪い。

早く席に着きたいのに、自分の席さえわからない。

戸惑っていると不意に肩を叩かれた。

「オレ、ミノ。先週転校してきたんだ。席はオレの後ろ」

「あ、ありがとう…」

「ずっと休んでただろ?すっごい気になってたんだ」

なんとなく肩を並べて歩き、示された席へと着く。

ミノはと言えば僕の前の席へ横を向くように座り、僕を振り返って微笑んだ。

「よろしくな?」

「うん」

ミノのおかげなのか、少しだけ緊張が和らいだ。

出席確認の際、担任が少し驚いたような顔をしただけで特に何も言うことはなかった。

そのあとの授業でも、別段何もない。

意外と普通だ。

ちょっと授業が進みすぎていてよくわからなかったけれど。

「なぁなぁ、一緒にお昼どう?」

「うん」

「もうひとりいるけど大丈夫だよな?」

「…?」

指さされた方向に首を傾げたまま視線を送れば、そこにはこちらを見ながら手を挙げる青年がいた。

「あいつ、キュヒョン。幼馴染なんだ」

「そう、なんだ…。僕、邪魔じゃない?」

「そんなことないって!ほら、急がないと定食売り切れちゃうだろ?」

急かされるまま食堂へと向かい、選ぶ間もなく定食の食券を手渡された。

どうやら僕には選択肢はないみたいだ。

「ここの学食って結構うまいよな?前通ってたとこは量ばっかで味は全然でさ~」

気づくと笑っていた。

あんなに躊躇っていた学校が楽しいと、授業が終わるころには思い始めていた。




10へつづく。






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コメント

Re: タイトルなし

ひ◇み 様

ピアノといえば、カンタさん!
ということで、先生になって登場です(*´ω`*)

甘々のふたりは、もうちょっとお待ちくださいませm(__)m

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