雪・月・花 ~From.Sweet Drops~

腐女子による腐女子のための、東方神起妄想小説サイト。ホミン・ミンホどっちも有です。

検索フォーム

RSSリンクの表示

リンク

このブログをリンクに追加する

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード

QR

FC2カウンター

ランキング

皆様の愛を葉月へ… にほんブログ村 BL・GL・TLブログ 二次BL小説へ
にほんブログ村

プロフィール

葉月

Author:葉月
雪・月・花 ~From.Sweet Drops~へようこそ!
このblogは東方神起大好き腐女子による腐女子のための妄想小説サイトです。
R18要素含みます。
ご覧になる方は、自己責任にてお願いいたします。

最新記事

最新コメント

月別アーカイブ

カテゴリ

未分類 (0)
葉月の雑記 (59)
Spinning (57)
REAL (27)
Can't stop Fallin' Love (19)
Birth Day SP (1)
WITH (2)
T 1 Story (3)
DIRT (103)
DIRT 番外編 (2)
metropolis (47)
君のいない夜 (50)
Chandelier (45)
愛をもっと (37)
Tea for Two (3)
Bittersweet (270)
短編 (42)
MIROTIC (248)
Singin' in the Rain (53)
Love in the ice (65)
Your Man (110)
Beside (48)
Double Trouble (57)
TAXI (76)
Heaven's Day (54)
恋焦がれて見た夢 (75)
バンビーノ! (69)
Stranger (80)
キ・セ・キ (127)
Love Again (69)
DARKNESS EYES (77)
366日 (115)
Rise... (39)

アクセスランキング

[ジャンルランキング]
小説・文学
17位
アクセスランキングを見る>>

[サブジャンルランキング]
BL
1位
アクセスランキングを見る>>

メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

Spinning 42

Spinning 42

Y side

あの日から、チャンミンは笑わなくなった。

思いつめたような表情で、時折苦痛に顔をゆがめ、身を震わせる。
自力で眠ることもできなくなり、薬に頼る日々。

愛する人が苦しんでいるのに、何もできない。
それが歯がゆかった。

深いため息をひとつつき、オレはバスルームからリビングへと向かった。
出てきたことに気づいていないようで、ソファに座ったまま背を向け、何かを眺めていた。

「…」

足をしのばせ、その背後へと近づく。

右手に持っていたのは1枚の名刺。
そこには東方出版という文字があった。

出版会社の中ではトップクラスの企業だ。
無意識に名前と役職を記憶し、そっと肩へと手を触れた。

「…っ」

不自然なほど震える身体。
何に対して怯えているのか、恐怖を抱いているのか。

ソファから飛びのき、いまにも泣き出しそうな瞳に動揺をにじませ、チャンミンはオレを見つめた。

「そろそろ寝ないか?」

「…う、ん…」

手を差し出してみる。
少し前なら迷うことなく重なった手だがいまは躊躇いが見え隠れし、拒絶しているようにも見える。

「チャンミナ」

「…」

手を握り締めて抱き寄せてもいまだ背中に腕が回されることはない。
何かを堪えるようにぐっとこぶしを握り、顔には苦痛を色濃く浮かべていた。

「少しだけ…」

怯えさせたくはないし、不安にもさせたくない。
でも、そろそろ我慢も限界だ。

「少しだけ、このままでいさせてくれ…」

「…」

いまにも消えてしまいそうな愛する人を腕の中に閉じ込め、祈りをこめてそう告げる。
しばらく身動きひとつなかったチャンミンの手が震え、解かれた指がそっとシャツを掴んだ。

「ユノ…っ」

切ないその声が助けを求めているように聞こえてならなかった。
できるなら、すぐにでも助けたい。

しかし、チャンミンが話してくれない以上はどうすることもできないのが現実。
抱きしめる腕に力をこめ、唇に施したい口づけを髪へ。

また、声を殺して泣いているのだろうか。
震える背中を優しく撫でれば葛藤するようにシャツを握る手の力が強くなったり、弱くなったり。

「ユノ…っ」

何度も、何度も、震える声でオレの名を呼ぶ姿に胸が苦しくなる。

「愛してる、チャンミナ…」

「…っ」

何十回、何百回、何千回だって言ってやる。
その言葉に嘘も偽りもありはしない。

ただ、それだけでは現しきれない想いをどう伝えればいいのかがわからない。

「愛してる…」

想いの丈をただ一言に詰め込む。
葛藤していた手が緩んだかと思えばすべるように背中へと回される。
強く、強く。

その力はチャンミンの心を代弁してくれているようだった。

「愛してる、チャンミナ…」

「ぼく、も…っ、僕も、ユノが…ユノのことが…っ」

その先の言葉が紡がれることがなかった。
声は嗚咽へとすり替わり、子どものように泣きじゃくる。

1秒でも早く泣き止んで欲しい。
その願いを胸に、オレはチャンミンを抱きしめたまま、また眠れぬ夜を過ごした。

このままではいけない。
昨日ようやく得たわずかな手がかり。
チャンミンへは別の仕事を言いつけ、オレはその場所を訪れた。

事前にアポイントを取っていたおかげですんなり社内へと通され、小さな会議室でその人を待っていた。

「お待たせしてしまって申し訳ありません。社会部編集長をしていますキム・ドンワンと申します」

「初めまして、チョンコーポレーション取締役のチョン・ユンホです」

真意を笑顔の仮面で隠し、心無い握手を交わす。
促されるまま腰を下ろしたオレは向かい側に腰を下ろしたその人を見つめた。

「ここへ私が来た用件はおわかりですか?」

「…用件はわかりませんが、誰のことで来たかは予想がついています」

アポイントを取ったときもそうだった。
一言で表すならポーカーフェイス。

オレもそうだが、この男も相当のやり手だ。
まったく思考が読み取れない。

「単刀直入にお伺いします」

打算も計算も通用しないのなら、直球で聞くしかない。

「シム・チャンミンに何を言った?」

「…」

「ゼミの集まりだと行って出かけてから様子がおかしい。
アンタだろう?
店員に聞いたら、個室に3人いたと教えてくれた」

個人情報に繋がるからあまり深くは教えてくれたなかったが、直感のようなものが働いた。

「ひとりはチャンミン。
ひとりはチャンミンを呼び出したキュヒョン。
そして…
もうひとりは、アンタだろう?」

店員の話によるとふたりは20代前半の若者、もうひとりは30前後の少し背の小さな男性だったという。
しかも小柄ながらに体格はしっかりしていて少し鼻にかかったような声だったという証言に見事当てはまっていた。

「確かにそれはオレだよ。でも何を話したのかはあなたに言うことじゃない。
それに、必要ならシム・チャンミン君自ら話すはずだろう?そ
れをしないのは知られたくないからだ。
なら、オレの口から言うことはできない」

「確かにその通りだ。
だが、これ以上チャンミンが苦しむのを見ていたくない。
お前が苦しめているのなら、オレは容赦なくお前を叩き潰す」

「…」

「何があっても、世界が敵に回っても、オレはチャンミンを守る。
傷つけるヤツは誰であろうと許さない」

初めから素直に聞けるなんて思ってやしない。
ただ、釘をさすために来た。
チャンミンの敵は同時にオレの敵だと。

「話はそれだけだ。時間をとらせて悪かった」

言うべきことは言った。
あとは会社へ戻り、業務を終え、チャンミンとともに自宅へ帰るだけ。

立ち上がり、振り返ることなく扉へと向かうオレに言葉が投げかけられたのはドアノブに手をかけた瞬間だった。

「彼を苦しめてるのが自分自身だったらどうする?」

問いかけに動きを止め、意味を租借する。
けれど真意を掴みきれず、オレはゆっくりとドンワンを振り返った。

「どういう、ことだ…?」

「そのまんまの意味だ。お前が原因で彼が苦しんでいたら、お前はどうするんだ?」

応える必要はない。
でも、なぜか答えなければならないような気がした。
それもまた直感だったのかもしれない。

「もしも、オレのせいだというなら…」

考えたくないもしもの話なのに、やたら現実味を帯びていた。

それはここ数日のチャンミンの態度であったり、無意識の反応であったりとか、否定しながらも予想はしていた。
最悪の事態として。

「それでもオレは、チャンミンを手放すことはできない。
チャンミンを残して死ぬこともできない」

「どうして?」

「アンタは手放せるか?本気で、心から愛した人間を」

まぶたを閉じれば、彼の姿がすぐに浮かび上がる。
少し幼い笑顔も、切ない泣き顔も、時々見せてくれるむくれた顔も、照れた顔も。

思い出すだけで逢いたくなる。抱きしめたくなる。
愛しくて、ただ愛しくて。

「チャンミンと約束したんだ。
ずっとそばにいると。
チャンミンを残して死なないと。
もうオレは…」

それはずっと胸に秘めていたこと。
心の中でずっとチャンミンに捧げ続けた言葉。

「チャンミンなしじゃ生きられない」

なんら躊躇いはない。
それは事実であり、真実なのだから。

どんな未来を思い描いても、隣には必ずチャンミンがいる。
それが、いまのオレのすべてだ。

「…」

射るような、鋭い眼差しだった。
その眼差しを受け止め、真っ直ぐに見つめ返していると不意にその男は目を伏せて微笑んだ。

「そうか…。変なコト聞いて悪かったな?」

「いや」

悪い人間には思えない。
からかっている風でもないし、なんとなくで聞いたのともまた違う。

なんらかの意図を持っているようだが、年の功なのか、それを量ることはできなかった。

43へ続く。



にほんブログ村 BL・GL・TLブログ 二次BL小説へ
にほんブログ村

関連記事
スポンサーサイト

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

 | HOME | 

Design byLoco-net::blog 
Copyright © 雪・月・花 ~From.Sweet Drops~.All rights reserved.