雪・月・花 ~From.Sweet Drops~

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Spinning 47

Spinning 47

最終章

あなたと離れて、どれくらいの月日が経ったのだろうか…。

思い出さない日はなくて、想いが薄れることもなくて。

身体の中に残された磁石があなたを求め、いまもまだ彷徨ってる。

C side

風が頬を撫でていく。

冷たい北風。
空は雲ひとつない晴天なのに、雪でも降りそうなくらい凍てついた空気。

「チャンミン」

どこまでも青い空が、そこに輝く太陽があなたのようで見つめていた。

眩しくて、力強くて。
もう少しこうやってあなたに想いを馳せていたいのに…。

「こら、チャンミン。聞こえてるんだろ?」

「…」

この人はドンヘさん。僕の代理人であり弁護人。
知り合ってから3年ほど。

それは同時に、あなたと別れた日から3年が経ったということ。
毎日、朝も夜も昼もずっと一緒にいたのに…。

「チャンミン!」

「そんなに大きな声を出さなくても聞こえてます」

「顔は可愛いのに、なんでそんな可愛くない口の利き方するんだ?」

まったくと呟きながら大仰に息をつき、でも顔はどこか楽しげに笑ってる。

今日まで、本当に大変だった。
再捜査をさせるために国を相手に国家賠償法に基づいて訴訟を起こした。

けれど、相手も威信を守るために必死で、酷い誹謗中傷を受けた時もあった。
何度も泣いて、何度も心が折れそうになった。

そのたびに、あなたを思い出した。
もっと辛い思いをしているだろうあなたを思い出して、奮起した。

僕が逃げ出すわけにはいかないんだ、と。

ドンワンがかき集めてくれた証拠が功を成し、勝訴したのが2年ほど前。
間もなく第三者機関を交えて再捜査が始まった。

それも一筋縄でいくはずもない。
あの手この手で邪魔立てし、怪我を負った時もあった。

裁判は無駄に長引き、日々疲労だけが募っていく。

「大丈夫だ、チャンミン。今日で最後だ」

運命の日。

今日までの努力が報われるのか否か。
それによってはまたこの苦痛の日々が続くこととなる。

けれど、おそらくこれが最後だとわかっていた。
1ヶ月ほど前の公判で、あの人が証言台に立ったその時に…。

「さぁ、行くぞ?」

「…はい」

正直、目を疑った。
いまでもまだ夢のようで、とても信じられなかった。

「口説き落とすの大変だったんだ。感謝しろよ?」

そう軽口を叩き、ドンワンは意味深な笑みを浮かべていた。
何か、僕の知らないところで事態が動いているようで、怖かった。

疑心暗鬼になっていたんだと思う。

どうしようもなく怖くなって、どうしようもなく不安になって、一度だけあの場所を訪れた。

なんて勝手なんだろう。

僕が決めて、一方的に別れたのにいまさら逢いたいなんて…。
でも、せめて一目でもいいから逢いたくて。

ただ立ち尽くしていた。何時間も、何時間も。
結局、逢うことも一目見ることもできなかったけれど。

「チャンミン?どうしたんだ?体調悪いか?」

「いえ…」

体調が悪いわけじゃない。
また、不安と恐怖に捕らわれているだけ。

今日のためにがむしゃらに走ってきたけれど、この先のことは何も考えていない。

それこそ、またあの頃の暗闇に戻されるだけ。
頼れる人なんかいない、孤独という世界に。

「ホントに大丈夫か?」

「大丈夫です」

手にしていた両親の写真を握り締める。
額縁に収められたその写真は、最後の家族旅行で撮影したもの。

そこには幸せそうなふたりが写し出されていた。

「ほら、ここに座っておけ」

傍聴席の一番隅に腰を下ろした。
静かな法廷には無数の足音だけが響き、厳粛な雰囲気の中口を開くものはほとんどいなかった。

間もなくあの人がやって来た。
一瞬、目が合う。

数年前に会社で会ったときとはまったく違う。
ぼさぼさの髪に、目は暗く翳り、その下にはくっきりとクマが浮かび、頬はこけていた。

「…」

あんなふうにしてしまったのは紛れもなく僕だ。
事実を明らかにするということは、罪を暴くということ。

それによって誰かの人生が狂い、軌道を外れる。

わかっていたつもりだが、わかっていなかったんだ。
人の人生を狂わせるということがどれほどの重圧なのか。

「やっぱり顔色が悪いな…。外で待ってるか?」

「…大丈夫です」

ここで逃げ出したんでは意味がない。

もう一度心を奮い立たせ、僕は真っ直ぐ前を見つめた。
すべてを、受け止めるために。

検察側の求刑は僕たちの意思を汲み、危険運転致死傷罪による懲役18年。
ドンワンは殺人罪で起訴を望んでいたが、それは叶わなかった。

しかし、運転致死の中では最も重い罪状。
酒を飲んだ上で、携帯電話を片手に運転し、ふたりもの人を殺した罪。

もしかしたら助かったかもしれないのに彼女は逃げた。
なおかつ、あらゆるコネクションとお金を使って隠蔽までしようとした。
その罪は非常に重い。

「…」

俯いたまま肩を落とし、彼女は微動だにしなかった。
心がすっぽり抜け落ちてしまったかのような様相で、うつろな瞳を足元に落としたまま。

そんな彼女を見ていると、罪の意識が芽生える。
正しいことをしているはずなのに…。

「被告人前へ」

そんなに広くはないその部屋に静かな声が響く。
ぴくりと彼女は身体を一瞬震わせ、ゆっくりと立ち上がった。

「今回、あなたがしたことは、とても酌量の余地はない、酷い行いです。
自分勝手な行いです。
罪のない人を死に至らしめ、さらには隠匿し、罪を償うことさえなかった。
そして、今日まで一度も謝罪の言葉もなく、私にはあなたが被害者の方を悼み、また反省しているようには見えません」

粛々と語られるその言葉は丁寧ながらも辛らつで、言葉が重ねられるほどに彼女は肩を震わせた。

裁判長の声の合間に聞こえ始めた嗚咽。
声を殺すこともできず、彼女は身体を震わせて泣いていた。

「主文を申し上げます」

通常であれば主文を読み上げ、そのあとに判決理由が添えられる。
今回先に理由が述べられたのはきっと、ちゃんと彼女に意図を知ってほしかったから。

どれだけの重い罪なのか、私利私欲でどれだけの人を不幸にしたのか。
僕は、心の中で裁判長に感謝の言葉を告げた。

「被告人、ソン・ユリ。懲役12年の刑に処す」

そう、彼女は裁判中に離婚していた。

聞いたときは驚いた。
いや、正確には心配になった。

離婚をしたということは自動的に融資がなくなるということ。
確かにこのまま夫婦という契約を続けても、メリットは少ない。

いくら銀行頭取とはいえ、実の娘が犯罪者となったいまよくて降格、悪くて退職となる。
いままでのように融資を優先することはできなくなるのは明らかだった。

心配で、心配で。

でも僕なんか心配する権利もなくて、でもあなたが心配で。
経営のことなんて全然わからないけれど少しでも知りたくて、いろいろ調べた。

一時は株が大幅下落し、経営が危ぶまれたが持ち直したと。
その情報を得たとき、本当に嬉しかった。

今日というこの日よりも。

「チャンミン」

「…」

気づけば法廷にただ独り残されていた。
振り返ると呆れ顔のドンヘが早く外に出ようと促す。

「奴さん、控訴する気はないみたいだ」

「そう、ですか…」

「嬉しくないのか?ご両親の仇をようやく取れたのに」

ドンワンとキュヒョンは喜ぶだろう。
勝訴することを目的にあのふたりは今日までやってきたのだから。

でも、僕は…。

「これで、よかったんでしょうか…?」

抜けるような青空。
目を細めるようにしてその空を見上げ、そう問いかけた。

「初めは、僕もドンワンさんやキュヒョナと同じく、彼女に罪を認めてもらうことでした。
そのために闘ってきました。
でも、わからないんです」

「チャンミン…?」

「だって、何も戻ってこない。父さんも、母さんも…」

あなたの名前を呼んでしまいそうになって、慌てて口を噤んだ。
いまはもう、呼ぶこともできない。

「僕には、何もない…」

残ったものは空っぽの身体だけ。
目標にしてきたことが終わったいま、何に向かって歩けばいいのかがわからなかった。

「ドンヘさん、いろいろとありがとうございました。きっと、ドンワンさんもキュヒョナも喜ぶと思います」

「チャンミン、お前…」

「お世話になりました」

何か言いたそうなドンヘにそう告げ、僕は歩き出した。

でも、やっぱりわからないんだ。
どこへ帰ればいいのか、わからない…。

48へ続く。



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