雪・月・花 ~From.Sweet Drops~

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Spinning 48

Spinning 48 Y side

会議を終えた午後22時。

10時間にも及ぶ長い会議を終え、独り残された会議室で携帯電話を開いた。
判決が出たら教えて欲しいと依頼してあったからか、着信を告げる明滅が規則正しく繰り返されていた。

開いてみれば予想通りドンヘの名前。

しかし、予想外のこともある。
それは着信履歴に並ぶその数だ。

「…?」

異常としか言いようがない。

しかも、ドンワンからも同じように夥しい量の着信が並んでいた。
かけなおそうとしたそのとき、携帯電話が震えだした。

「オレだ」

『お前な…っ、なんでいつも間が悪いんだよっ』

走っているのか、異様に息が乱れていた。
着信履歴を見たときから覚えた嫌な予感が真実味を帯びてくる。

『チャンミンがいなくなった!』

「…っ」

その言葉を聞いた瞬間、オレは走り出していた。
荷物なんて取りに行く余裕もない。

会議室から直接駐車場へと向かい、車へと飛び込んだ。
エンジンをかけるなりアクセルを踏み込めば、唸りながら車は疾走する。

「チャンミナ…っ」

明日、迎えにいこうと思っていた。

数ヶ月ぶりに休みを取って、まだ順調とは言いがたいがある程度会社の基盤はできた。
新体制となり、簡単ではなかったがチャンミンのために今日まで頑張ってきた。

胸を張って迎えに行き、チャンミンを連れ戻すために。
それなのに…。

わずかな希望を胸にマンションへと向かった。
路上に車を置いたまま、エントランスを駆け抜けていく。

しかし、そこに姿はない。
すぐさま身を翻し、オレはまた車へと乗り込んだ。

どこだ…?どこに行った?

「そうだ…」

記憶の糸を探り、思い出した場所。
たった1度だけ訪れた、唯一チャンミンの帰るべき場所。
それ以外考えられなかった。

運転中ずっと不安が重くのしかかっていた。
手は変に汗ばみ、寒気すら覚える。

考えたくもないのに、最悪の事態が頭を過ぎり、何度振り払っても蘇ってくる。
離れていた時間の中で、一番苦しい地獄のような時間だった。



すでに、午前0時を過ぎていた。
高地になったことで張りつめたような冷たい空気。

空からははらはらと白い雪綿が落ち、地面を白く染めていた。
外套もないこの場所では正しい駐車位置もわからず、半ば乗り捨てるように車から降り立った。

物音ひとつしないその場所に響く足音。

なだらかな斜面でも足元が雪にとられ、思うように進めない。
白い息を吐き出しながら、わずかな光を頼りに歩き続けた。

「…」

雲が流れ、月の光が降り注ぐ。
柔らかな光が降り注ぐ雪に反射し、あたりを白く染めた。

その中に浮かび上がるひとつの影。
俯き、立ち尽くすその人。逢いたくてやまなかった人。唯一、オレが愛した人。

「…」

あの時よりも、さらにやせ細っていた。

君と離れていた時間。
1回だけ君を見かけた。

オレたちが愛を育んだ帰るべき場所を見上げるその姿を。
できることなら、連れ去りたかった。

それをしなかったのは、まだ途中だったから。
今度こそ絶対に離れないために、永遠に一緒にいるために、やらなければならないことがあったから。

別々の道を歩んでいても、また同じ道を歩くために。
そのためにオレは踏みとどまった。

君が立ち去るまで、ずっとその背中を見つめていた。
闘う君の背中を。

その背中が、小さく見えた。
儚い、触れたら溶けて消えてしまう雪のように。

「チャンミナ…」

声をかけると、その背中が大きく震えた。
明らかに怯えていた。

いますぐ抱きしめたくて、大きく1歩を踏み出した瞬間、かすかな声が聞こえた。

「来ないで…っ」

声ですぐにわかる。泣いていると。
抱きしめて、涙を拭って、口づけて…すぐにでも包み込んであげたいのに。

「来ないで、ください…っ」

願いはすべて叶えてあげたい。
けれど、その願いは無理だ。

言葉を無視し歩を進めればもつれる足で懸命に逃げようとする。
その手を掴み、力ずくで引き寄せた。

「は、離して…っ」

「…」

「僕は…、僕は…っ」

冷え切った指先。

どれくらいここにいたのか、芯まで冷え切っていた。
逃げるのが遅かったのもそれが原因だろう。

いまもまだ、不自然に身体が震え、口もうまく利けないような状態だった。

「今日で全部終わった。もう、離れてる必要はないだろう?」

「それでも…っ、ダメなんです…」

「どうしてだ?」

「僕は、あなたからすべてを奪った…っ。
家族も、会社も、地位も、名誉も…っ。
あなたが持っていたもの全部…っ」

ずっと、闘っていたんだな…。

奪われた家族のために闘いながら、オレからすべてを奪ったという罪の意識と闘っていた。
そんな必要ないのに。

「僕はもう、あなたのそばにいる権利も、あなたを想う資格もない…っ」

どれだけ自分を責め続けていたのだろうか。

腕の中で必死にもがくチャンミンを抱きしめながら、胸が苦しくなった。
その葛藤を、少しもわかってあげられなかった自分が悔しかった。

「それを言うなら、オレも一緒だ」

「違う!あなたは…あなたは、何も知らなかった…っ。僕は、知っていてやったんだ」

「同じだよ。知ってても知らなくても。お前の家族を奪ったのはオレの父だ」

違うんだと髪を振り乱し、懸命にかぶりを振る。
聞きたくないと言っているようにも思えた。

でも、話さなければならない。もう一度、ふたりで生きていくために。

「資格とか、権利とか…そんなものは関係ないだろ?
人を愛すことに、そんなものは必要ない」

好きになってしまったものは、どうしようもないんだ。

オレはお前が好きで、お前はオレを愛してる。
ただそれだけのこと。

「それに、お前は何も奪っていない。
オレが持っていたものなんて何ひとつない。

…すべて、与えられた仮初のものだ。
オレが自分自身で手に入れたのは唯一、お前だけだ」

我を忘れたように取り乱すチャンミンを必死に抱き留めながら、できるかぎり優しく、語り掛ける。
冷静さを保とうと、足掻いていた。

「オレは、お前なしじゃ生きていけないんだ。頼むから…もう、どこにも行かないでくれ」

腕がほどけないと悟ったのか、今度は両の耳を手のひらで覆い隠す。
涙を流しながら、歯を食いしばりながら、耳を塞ぐ。

その腕を掴み、絶え間なく涙を流すその瞳を覗き込んだ。
出逢ったころから全く変わらない、穢れひとつない宝石のようなその瞳。

「オレは、お前がいないと幸せになれないんだ…っ」

「…っ」

「だからっ…だから、もう二度とオレから離れるな」

冷静で在ろうとすればするほど、感情がこみ上げてくる。
堰を切った感情は涙となり、零れ落ちた。

「愛してる、チャンミナ」

「…」

「もう、絶対にこの手を離さない」

強く腕を握りしめ、すべての想いを眼差しに乗せ、オレは消えることのなかったその想いを告げた。

もう一度、オレの父が命を奪ったに等しいチャンミンの両親が眠るこの場所で。
それ以上の言葉はないし、意味もない。

もしもまたオレの元から去るというのなら、そのときは…。
一度は封じた想いが再び芽吹き始めた。

49へ続く。



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