雪・月・花 ~From.Sweet Drops~

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Spinning 50

Spinning 50

できることなら、始終そばにいたいと思う。

しかし、あの状態のチャンミンを仕事へ伴うこともできず、オレはハウスキーパーという肩書きの監視者を雇って日々出勤していた。

いつものように執務室へと向かうと、真っ先に飛び込んできたのは味気ない白い封筒だった。

「…?」

字に、見覚えがあった。
いぶかしむように眉根を寄せ、ペーパーカッターで封を切る。

中にはもう1通、封筒が入っていた。

宛名は、シム・チャンミン。
同封されていた便箋を広げ、オレは目を見開いた。

「…」

一度は収束した怒りが再びこみ上げてくる。
読まずに捨てようかと思ったが、最初に記されていた文章に思い留まった。

捨てたい衝動をかろうじて抑え込み、それをカバンの中へと押し込む。
できる限りそのことを考えないようにと仕事をこなし、オレはその日最後の接待を終えて帰宅した。

入れ違うようにハウスキーパーが帰宅し、オレは愛しい姿を探した。

「チャンミナ?」

靴はある。
でも、明かりはない。

リビングをそのまま通り抜け、寝室へと向かえば薄明かりの中にぼんやりとその姿が浮かんでいた。

「ただいま、チャンミナ」

信じているつもりだが、やはり安堵する。

またどこかへ行ってしまうんじゃないかと心のどこかで不安に思っている証拠。
窓ガラスに手を添えて月を見上げるその背中を後ろから抱きしめた。

「チャンミナ…」

「…」

呼びかけるとかすかにチャンミンが振り返った。
いまにも泣き出しそうな瞳で。

「先に食事をしよう。その後、渡すものがあるから」

「…」

肩を抱かれ、操られるようにゆらり歩き出す。

ここにいることにチャンミンの意思はなく、オレの願いを汲むための償い。
だから、チャンミンは決して抵抗をしない。

それがいま、オレにとっての一番の足かせとなっていた。
ダイニングテーブルに向かい合うように座り、用意された食事を見つめる。

「ほら、チャンミナ。ちゃんと食べろ」

「…」

無言のまま、味気ない食卓。
あれだけ大食漢だったのに、いまやその片鱗もない。

少し食べては箸を止め、小さく息をつく。
半分も食べればいいほうだ。

まったく食べないわけではないから、それ以上ムリにと言うこともできない。
ただ、ひたすらに早く元気になるようにと祈るだけ。

1時間ほどかけて食事を終え、オレはチャンミンの手を引いてリビングのソファヘと移動した。
そしてカバンの中に押し込んだそれを取り出す。

「チャンミナ宛の手紙だ」

「…」

じっと観察するように注がれる眼差し。
その手に手紙を握らせ、オレはじっとその横顔を見つめた。

読む、読まないはチャンミンの自由だ。
オレが判断することではない。

しばらく持ったまま考え込んでいる風のチャンミンだったが、5分ほどしてようやく動き出した。
裏面に返し、驚いたように目を見開く。

ガタガタと封筒を持つ手が震え始め、オレは優しくその手を包み込んだ。

「大丈夫だ。ここにいる」

「…」

差出人の名前は、ソン・ユリ。
オレの元妻であり、チャンミンを最も苦しめた人物。

書かれている内容がどうであれ、チャンミンの意思を尊重したかった。
独断で決めていいのなら、即効ゴミ箱行きだが。

「…」

震える指先が、封印を解く。
中には1枚の便箋。

読むことに躊躇いを覚えているのか、それとも恐怖しているのか、なかなかそれを広げられないでいた。

「チャンミナ、無理に読む必要はない」

「…」

不安げに揺れる眼差しが、助けを求めるようにオレを見つめた。

戻ってきてから、初めてかもしれない。
チャンミンが、こうしてオレを見てくれたのは…。

もう一度便箋を見つめ、再びオレを見つめる。

少しでも安心できればと肩を抱き寄せ、髪をすいた。

ゆっくり、ゆっくり便箋が広がっていく。
呼吸を整えるように深く息を吸い込み、ゆっくりと吐き出したチャンミンは便箋へと視線を落とした。

「…」

オレが、読むべきものではない。
あえて便箋を視界に入れないようにし、ただじっとその横顔を見つめた。

次第に瞳が潤み始め、はらり、はらりとしずくが頬を伝い落ちていく。

やっぱり、渡さないほうがよかったんじゃないか。
読ませないほうがよかったんじゃないか。

後悔が押し寄せる。

「チャンミナ…」

便箋を膝の上へ置き、両手で顔を覆うようにしてチャンミンはかすかに嗚咽をこぼした。

「…っく」

後悔と、罪悪感が際限なく心を蝕んでいく。
オレは夢中で震えるその身体を抱き寄せた。

胸に埋もれたまま、ただただ涙を流すチャンミンにオレは何もすることができない。
それが一番悔しい…。

「ユ、ノ…」

幻聴…?

この部屋に戻ってきてから、一度も名前を呼ばれたことはなかった。
だから、にわかには信じられなかった。

「ユノ…っ」

「…っ」

その声は幻聴などではなく、オレの胸に埋もれるその人から確かに発されていた。

「チャ…チャン、ミナ…?」

いつもなら回されることのない腕が、躊躇いながらもゆっくりと背中に回される。
それだけのことで、心臓がバクバクと激しく脈打っていた。

「僕、ここにいてもいいの…?」

「チャンミナ?」

「僕…ユノのこと好きでいて、いいの…?」

心臓を直に掴まれているようだった。
反射的に抱きしめる腕に力をこめ、震えを堪えるように頷く。

「当たり前だ」

誰がなんていおうと、オレは永遠にチャンミンと一緒にいる。
ずっとチャンミンを、チャンミンだけを愛してる。

愛している人に、愛されたいと思うのは至極当然の摂理だ。

「ユノ…っ」

切願するようなその声。
少しだけ腕の力を緩めてその顔を見下ろせば、涙を浮かべながら、少しぎこちない笑顔を浮かべるチャンミンがいた。

「チャンミナ…っ」

見たいと思っていた笑顔にようやく出逢えた。

輝きを取り戻した瞳に、オレだけが映っている。
もうどうしようもなくて、これ以上我慢できなくて、オレはゆっくりと涙に濡れたその唇に自らの唇を重ねた。

あの日、交わした口づけと同じく涙の味。
でも、それは悲しいものではなく、幸せのもの。

久しぶりの口づけにはにかんだような笑みを浮かべ、もう一度唇を重ね合わせる。
離れていた時間を取り戻すように…。

51へ続く。



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